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<設置の経緯>
教養学部900番教室にパイプオルガンが設置されたのは1977年のことでした.当時教養学部にオルガンを設置したいと考える数名の教官がいました.彼らは吉祥寺カトリック教会のヴァルカー社製オルガンが類焼の際に冠水し解体されていることを聞きつけ,これを譲り受け,修理すれば安価にオルガンが手に入るのではと考えました.しかし,いくら安いと言っても,当時国立大学の予算でオルガンなど買えるはずもありません.そこで彼らは本学の卒業生森稔氏の父君森泰吉郎氏(森ビル株式会社初代社長)に寄付をお願いしました.森氏は安い価格で東大にオルガンが設置できるのならばということで,快諾してくれたのです.ところが,オルガン制作者望月広幸氏が作業にかかると,吉祥寺カトリック教会のオルガンはとても再生できるような状態ではないことが判明しました.このため,新たにドイツのシュケー社よりほとんどの部品とパイプを購入し,ほぼ新品のオルガンとして作ることになり,当初の予定より桁違いの出費を森氏に仰ぐこととなりました.また,前例のない国立総合大学への設置に当たっては,学部長時代から深く関与した小山弘志教授をはじめとする教授会全体の熱意が効を奏したとのことです.

<これまでの演奏会>
最初の演奏会は1977年5月7日の竣工記念演奏会でありました.以後,年3,4回のオルガン演奏会を定期的に開くことによって,学生,教職員,地域の人々に専門領域を越えて音楽を享受するひとつの場を提供するという特殊な役割を果たしてまいりました.2004年度には節目となる第100回目の演奏会が開催されました.その間に登場したオルガニストには数多くの日本の著名なオルガニストのほかアルノ・シェーンステット,ヴェルナー・ヤーコプ,ジグモンド・サットマリー,ハネス・ケストナー,リオネル・ロッグ,マリー=クレール・アラン,ユゼフ・セラフィン,ヴォルフガング・ツエラー,ジャネット・フィッシェル,コリン・アンドリュース,ジェニファー・ベイトなどの世界的に有名な演奏家も含まれています.定期演奏会によって,初めて生のオルガン演奏に接した学生も数多いことと思いますが,中には,理科の学生が演奏会を聞いてオルガンに興味を持ち,第10回ファンタジーノベル大賞受賞に輝く小説を書き上げ小説家としてデビューしたという例もあります(山之口洋著:オルガニスト).なお,これまでの演奏内容はデータべース,テープ,ヴィデオ等に納められ,研究資料として利用されています.